英語・捨てぜりふ
テレビドラマや映画で、ヒーローにやっつけられた悪役が逃げ去るときに、「覚えてろ!」というせりふを吐くことがある。こういう強がりのことを、日本語では「捨てぜりふ」という。
一方、英語では、「He gave me a parthian shot. “I'll show you."」(彼は私に向かって「覚えてろ」と捨てぜりふを吐いた)というふうに、「パルシャンショット(parthian syot)」が「すてぜりふ」の意味になる。
「パルシャン」とは、紀元前2~1世紀にイラン北東部に存在した、古代国家パルティアの人々のこと。彼らパルティア人は、騎兵戦に非常に強い民族で、ローマ軍を大いに苦しめた。というのも、彼らは「逃げながら戦う」という戦闘スタイルで、逃げるふりをして、追ってくる敵を振り向きざまに弓矢で射抜くという戦法を得意にしているのだ。
この戦術から転じて「捨てぜりふ」の意味で使われるようになった。
英単語・由来
ニューヨーク市の象徴の一つは「摩天楼」といわれるビル群。その筆頭は「エンパイア・ステート・ビル(Empire statebuilding)」だ。地上102階、381メートルの高さは、同じニューヨークに世界貿易センターが完成するまでは、世界一だった。2001年のテロによって世界貿易センターが崩壊したのちは、再びニューヨークでもっとも高いビルになっている。
「エンパイア・ステート・ビル」は、ニューヨーク州にあることから、この名がついた。ニューヨーク州の人口は、1960年の途中までアメリカ最大で、アメリカの経済や文化の中心地であり続けてきた。そこから、ニューヨーク州は、「エンパイア・ステート(empire state)」、訳して「帝国州」という異名を持つようになった。
帝国州を代表するビルが建てられたとき、その異名をとって「エンパイア・ステート・ビル」と名付けられたのである。ただ一時は空室が多く、「エンプティ(empty)・ステート・ビル」と揶揄された時代もあった。
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