英単語・パブ
パブは「パブリック・ハウス(public house)」(公共の家)の略語で、イギリスで発達した酒場のこと。もともと宿屋や雑貨屋も兼ね、町のコミュニティーセンターのような存在として親しまれてきたことから、こう呼ばれるようになった。
ところで、本場イギリスのパブには、ユニークな名前をもつところが多い。とりわけ目立つのは、「King's Arms」(王様の紋章)、「Rose & Crown」(バラと王冠)のような、王家にちなんだ店名である。なぜそんな名前をつけたかというと、イギリスではその昔、文字を読めない人にも、どんな商売の店か一目でわかるように、店の看板に絵を描く習わしがあったから。これは、パブに限らず、あらゆる職種の店に共通していたもので、たとえば、靴屋なら靴の絵、質屋なら金色の三つ玉を描いた看板が掲げられていた。
それらのうち、現在まですたれずに残っているのが、パブのバラエティーにとんだ看板。酒とは関係のない店名が多いのも、絵で描きあらわしやすく、差別化しやすい名前が選ばれたためなのである。
そのため、パブには「Black Swan」(コクチョウ)、「Red lion」(赤獅子)、「The Golden Dove」(金の鳩)のように、動物の名前をつけている店も少なくない。
英単語・ソーズベリー
ひき肉料理の代表格・ハンバーグは、英語で言うと「ハンバーガー・ステーキ(hamburger steak)。
バンズ(パンの一種)ではさんでいるかどうかにかかわらず、「ハンバーガー」といい、和製英語の「ハンバーグ」では通じない。
また、アメリカではハンバーガー・ステーキを、「ソールズベリー・ステーキ(salisbury steak)」と呼ぶこともある。このソールズベリー・ステーキという呼び名は、ドイツと敵対関係にあった第一次戦争中のアメリカで生まれたもの。いわゆるハンバーグは、19世紀の中頃にアメリカに移住したドイツのハンブルグ出身者によって広まっていたが、大戦の勃発で、ドイツ語を取り除こうという動きが起きると、ハンブグという都市に由来する「ハンバーガー」の名前も変えなければならない、ということになった。そこで浮上したのが、イギリス人医師ジェームズ・ソールズベリーの名前。ソールズベリーは、かつて蔓延する病気の治療に、ハンバーガーミートをとることを提唱した人。その名がハンバーガーのかわりに使われるようになったのだ。
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